60代以降のシニア世代の方が健康を維持するためには適度な運動を取り入れることが非常に重要です。
しかし、多くの人は適度な運動とは何をどれくらいすれば良いかわからないという悩みを持っています。
本記事では、シニア世代におすすめの運動とその具体的な内容、時間、頻度について詳しく説明します。
厚生労働省のガイドラインをベースに、専門の理学療法士が監修しています。
本記事を読めば、どんな運動をどれくらいすればよいかがわかります。
ぜひ自分に合った運動を適切に取り入れて、健康で充実した日々を送りましょう。
シニア世代が1週間ですべき運動をすべて紹介しますので、まずは1週間真似してみてください。
- 理学療法士
- 修士(保健学)
- 心臓リハビリテーション指導士
- 心不全療養指導士

- 心臓病を患った方のリハビリを通して60~70代の方の健康と運動をサポートしています
- このメディアを通して、シニア世代の方が運動を始めるきっかけを作ってもらえると嬉しいです
推奨される運動の種類・時間・頻度
厚生労働省が推奨する、健康に必要な運動は次の4つです。
- 有酸素運動
- 筋力トレーニング
- 柔軟体操
- バランス運動
この4つは心肺機能、筋力、姿勢、転倒予防にとって非常に重要な運動です。
私も、普段から心臓リハビリテーションの場面で、これらの運動を組み合わせて皆さんに実践してもらっています。
1つずつ詳しく説明していきますね。
1.有酸素運動
有酸素運動は、心肺機能を向上させます。いわゆる体力をつけることができます。
また有酸素運動は、高血圧や糖尿病などの生活習慣病の進行を抑え、心臓病のリスクを低減する効果があります。
厚生労働省のガイドラインによると、週150分以上の中強度の有酸素運動が推奨されています。
具体的な内容と時間と頻度は次の通り。
- 内容:ウォーキング、サイクリング、ジョギング、エアロビクス
- 時間:1回あたり30分程度
- 頻度:週に5回以上
週に3回の場合は、1日あたり50分の有酸素運動をすれば週150分になります。
ウォーキングなどの有酸素運動を週150分意識することで、心臓や肺の健康が維持され、生活習慣病の予防につながります。
2.筋力トレーニング
筋力トレーニングは筋肉量の維持・増強に効果があります。
また、骨密度の低下を防ぐために重要です。骨密度の低下は骨折しやすいカラダへと繋がります。
シニア世代は、週2回以上の筋力トレーニングを推奨しています。
具体的な内容と時間と頻度は次の通り。
- 内容:スクワット、プッシュアップ、カーフレイズなど
- 時間:各運動を10〜15回×2〜3セット
- 頻度:週に2〜3回
筋トレは週2,3回で十分。
例えば月、木と曜日のルールを決めて実践するのがおすすめです。
筋力トレーニングを習慣化させることで、筋肉貯金ができ将来の転倒予防や骨折予防に繋がります。
3.柔軟運動(ストレッチ)
ストレッチは、関節の可動域を広げ、筋肉の柔軟性を保つために重要です。
定期的なストレッチでカラダの柔らかさを保つことは、姿勢の悪化を防ぎます。
また、腰痛や膝痛などの予防にもつながります。
具体的な内容と時間と頻度は次の通り。
- 内容:ストレッチング、ヨガ、太極拳など
- 時間:各ストレッチを20〜30秒キープ
- 頻度:毎日(お風呂上りがおすすめ)
ストレッチを習慣化させることで、日常生活での動作がスムーズになり、カラダの負担が軽減されます。
4.バランス運動
バランス運動は転倒予防に効果的です。
バランス能力の向上は、日常生活での安全性を高め、高齢者の自立した生活をサポートします。
- 内容:片足立ち、バランスボールを使ったエクササイズ
- 時間:1回あたり5〜10分程度
- 頻度:週に3回以上
バランス運動を定期的に行うことで平衡感覚が養えます。
将来転ばないためにも今からトレーニングしていきましょう。
運動の組み合わせと週のプラン
ガイドラインが推奨する運動の組み合わせを1週間でプランニングしてみます。
- 月曜日
- 有酸素運動:買い物ついでに60分のウォーキング
- 筋力トレーニング:スクワット・カーフレイズ・ウォールプッシュアップ 10回×3セット
- 柔軟運動:テレビを見ながら全身のストレッチ 20秒×各部位
- バランス運動:片足立ち30秒×左右1set
- 火曜日
- 柔軟運動:テレビを見ながら全身のストレッチ 20秒×各部位
- 水曜日
- 有酸素運動:買い物ついでに30分のウォーキング
- 筋力トレーニング:CM中にスクワット・カーフレイズ・ウォールプッシュアップ 10回×3セット
- 柔軟運動:テレビを見ながら全身のストレッチ 20秒×各部位
- バランス運動:片足立ち30秒×左右1set
- 木曜日
- 柔軟運動:テレビを見ながら全身のストレッチ 20秒×各部位
- 金曜日
- 有酸素運動:買い物ついでに60分のウォーキング
- 筋力トレーニング:スクワット・カーフレイズ・ウォールプッシュアップ 10回×3セット
- 柔軟運動:テレビを見ながら全身のストレッチ 20秒×各部位
- バランス運動:片足立ち30秒×左右1set
- 土曜日
- 休息日(軽いストレッチのみ)
- 日曜日
- 休息日(軽いストレッチのみ)
月水金の3日間だけ意識して運動をすれば、あとはストレッチだけルーティンでやればOK。
シンプルです。
ポイントはいかに生活に落とし込めるか。
買い物ついでにウォーキング。
テレビのCM中にスクワット。
テレビを見ながらストレッチ。
これをまずは1ヶ月やれば絶対習慣化できます。
そこまでハードルは高くないはず。
初めはキツイ場合は、この半分からでもOK。
自分に合ったペースで始めることが大切です。
まとめ
本気では、厚生労働省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド 2023」を基に、健康維持と生活習慣病予防のために必要な運動を紹介しました。
有酸素運動・筋力トレーニング・ストレッチ・バランス運動は、心肺機能の向上、筋力の維持・増強、柔軟性の向上、バランス能力の向上など、多くの面での健康効果が証明されています。
まずは週3日から始めてみましょう。
日常生活に運動を取り入れることで、健康的でより充実した生活に変わります。
運動を始める前に医師に相談することも忘れずに、安全に楽しく運動を続けてください。
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