60代以降のシニアは一日何歩歩くべきか。健康を維持するために必要な運動量を解説

こんにちは。

この記事では、60歳以上のシニアが健康を維持するために目標にすべき歩数とその理由を解説します。

「医師から毎日歩くようにと言われたけど、一日どれくらい歩けばいいのかわからない。」

こうした悩みを持つ人は多いです。

運動の重要性は理解しているものの、具体的な目標や方法がわからないため、なかなか行動に移せないのも仕方ありません。

しかし、運動を後回しにすると、後々健康リスクの増加に直結します。

生活習慣病の進行から心筋梗塞や脳卒中、さらには転倒による怪我など、さまざまな問題が生じる可能性があります。

先に結論をお伝えします。

60歳以降のシニアが健康を維持するためには、1日6,000歩のウォーキングが推奨されています。

私たちのメディアは、厚生労働省が発表した、『健康づくりのための身体活動・運動ガイド 2023』を参考に運動についての情報を発信しています。

本記事では、シニア世代が無理なく始められるウォーキングの方法、メリット、注意点について詳しく解説します。

なぜ、6000歩が目標なのか。

そして、歩数をカウントする事の重要性について知りたい方は、続きをご覧ください。

この記事を書いた人
  • 理学療法士
  • 修士(医療福祉教育・管理学)
  • 心臓リハビリテーション指導士
  • 心不全療養指導士
  • 心臓病を患った方のリハビリを通して60~70代の方の健康と運動をサポートしています
  • シニア世代の方が運動を始めるきっかけを作ってもらえるよう発信しています
目次

60代以降のシニア世代がウォーキングをした方が良い理由

ウォーキングは、シニア世代のの身体的、精神的健康に多くのメリットをもたらします。

シニアにとってウォーキングがもたらす主なメリットは次の通りです。

生活習慣病の予防

運動不足は、高血圧、糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病のリスクを高めます。

特にシニア世代にとっては、これらの病気は脳卒中や心筋梗塞など深刻な病気の引き金となる可能性があります。

ウォーキングは、これらの病気を予防するだけでなく、既存の症状の管理にも役立ちます。

3メッツ以上の身体活動を週15メッツ・時以上行う高齢者は、身体活動をほとんど行わない高齢者と比べて総死亡および心血管疾患死亡のリスクが約30%程度低下することが示された

厚生労働省『健康づくりのための身体活動・運動ガイド 2023

3メッツ以上の身体活動を週15メッツとは、「毎日40分程度のウォーキング」、「毎日6000歩のウォーキング」レベルです。

ウォーキングは、病気を予防するために必須な習慣と言えます。

体力の維持向上

定期的なウォーキングは、心肺機能を向上させ体力がつきます。

ウォーキングなどの有酸素運動は、心肺機能を向上させ、疲れにくいカラダを作ることができます。

骨密度の維持

定期的なウォーキングは骨密度を維持し、骨粗しょう症の予防にも繋がります。

ウォーキングは骨に適度な負荷をかけるため、骨の再生を促進します。

これはシニア世代にとって特に重要です。

骨密度を維持することで骨折や骨粗しょう症のリスクを軽減できるからです。

メンタルヘルスの改善

定期的なウォーキングはメンタルヘルスにも良い影響を与えます。

静かな公園でも近所でも、外に出て散歩をすると、気分がリフレッシュされます。

自然とのつながりと穏やかな散歩のリズムは、自然なストレス解消法です。

自然を感じながら一定のペースでの散歩を組み合わせると、ストレスホルモンが減り、心が穏やかになります。

社会的メリット

ウォーキングは社会的な交流を促進する絶好の機会でもあります。

友人や家族と一緒に歩くことで、孤独感の解消や、社会的な絆の強化が期待できます。

ウォーキング グループに参加したり、友人を散歩に誘ったり、あるいは単に家族と一緒に散歩したりするだけでも、共通の体験や有意義な会話の瞬間が生まれます。

こうした交流は帰属意識やコミュニティ意識を育み、精神的、感情的な健康に不可欠な要素となります。

60代以降のシニア世代がウォーキングで歩数を記録することの重要性

さて、歩数を記録することにはどのような意味があるのでしょうか。

毎日の歩数を記録する事は、あなたの1日の活動レベルを示す優れた指標です。

あなたは、自分がどのくらいの活動を日々行っているのかご存じでしょうか?

実際は大して動いていないのに、自分が活動的だったと思い込む人は意外と多いです。

結局のところ、食事をしたり、お酒を飲んだり、何か面白いものを観たり、読書をしたり、考え事をしたりしていると、とても忙しかったという印象を受ける人がほとんどです。

ですが、ウォーキングと同じ活動量はもたらしません。

つまり、しっかりと活動レベルを歩数として管理することで、活動レベルを上げやすくなります。

歩数を記録している人は、記録していない人に比べて 1 日あたり 2,500 歩多く歩くと言われています。

歩数をカウントすることで、「なるべく動こう」という心理が働くからです。

これは長期的には健康に大きなプラスの影響を与えることは間違いないでしょう。

また、歩数と病気には明確な正の相関があります。

例えば、1日1,000歩増加するごとに、心血管疾患のリスクが6%低減するというデータがあります。

シニア世代におすすめの歩数を記録する方法

歩数を記録する事の重要性を理解したところで、おすすめの歩数を記録する方法を紹介します。

歩数計の利用

最も簡単なのは歩数計を利用することです。

腰につけることで、日々の歩数を自動的にカウントし、目標達成度を確認することができます。

腰につける歩数計のメリットは、その正確性。

一般的に腰につけて歩数をカウントするのが最も正確だと言われています。

歩数だけわかればいいからなるべく正確に記録したい。

そんな人は歩数計がおすすめです。

スマートフォンアプリ

スマートフォンのアプリはとても便利です。

無料でダウンロードできるアプリが多く、日々の歩数を簡単にトラッキングできます。

「Google Fit」や「Apple Health」は、スマートフォンに内蔵されたセンサーを使って歩数を計測し、詳細なレポートを提供します。

いつも持ち歩いているスマホをそのまま使えるので今日から記録がつけられます。

関連記事

・スマートフォンアプリを使用した歩数の記録方法(coming soon)

ウェアラブルデバイス

スマートウォッチなどのウェアラブルデバイスを利用するのも良い方法です。

時計はスマホよりも身に着けやすいので、歩数を図り忘れる心配が少ないのが特徴です。

心拍数や消費カロリーなどもモニタリングでき、総合的な健康管理ができます。

腰につけるタイプの歩数計に比べると若干制度は落ちますが、家で家事などをしている時の歩数も記録したい。

そんな人は一日中身に着けてられるスマートウォッチがおすすめです。

関連記事

・スマートウォッチを使用した歩数の記録方法(coming soon)

60代以降のシニア世代に推奨される歩数

推奨歩数

シニア世代には、1日6,000歩が推奨されています。

厚生労働省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド 2023」でも、同様の目標が掲げられています

この目標は、無理なく達成できる現実的な数値です。

個人差はありますが、6000歩だと大体40~60分くらいの時間が目安になります。

毎日40分以上歩く習慣を付ければ目標の歩数に到達できるでしょう。

歩数は段階的に増やす

運動習慣がない人がいきなり40分以上歩くのは大変です。

無理なく目標を達成するためには、最初は短い距離から始め、徐々に歩数を増やしていくことが重要です。

筋トレだって、いきなり腹筋100回はできませんよね。

ウォーキングも同じ。

初めは1日3,000歩から始め、1週間ごとに500歩ずつ増やしていくことで、1か月後には6,000歩を達成することができます。

まずは、20分の散歩から始めてみましょう。

シニア世代が安全にウォーキングを始めるためのポイント

医療従事者に相談する

ウォーキングを含むあらゆる運動プログラムを開始する前に、生活習慣病や持病がある方は医療提供者に相談しましょう。

医療提供者は、あなたの健康状態、投薬内容などを踏まえた個別のアドバイスをしてくれます。

とはいえ、かかりつけの先生に「運動しなさい」と言われたけど、具体的な方法を教えては貰っていない人がほとんどです。

「血圧が高い場合どのくらい運動すればよいか?」
「運動始めたいけど、膝や腰が痛い」
「動くと息が切れるから心配」

持病があって医療者に運動のことを相談できる機会がないという方は、個別相談も受けていますので、お問い合わせからご連絡ください。

適切なシューズを選ぶ

ウォーキングに適したシューズを選ぶことは、足や膝への負担を軽減するために重要です。

クッション性があり、足にフィットするシューズを選びましょう。

「New Balance」や「Asics」のウォーキングシューズは、クッション性とサポート性に優れ、長時間のウォーキングでも快適です。

関連記事

・60代が運動するときにおすすめのウェアとシューズ10選(coming soon)

無理のないペースで始める

ウォーキングを始める際は、無理のないペースで行うことが大切です。

最初は短時間から始め、徐々に歩数と時間を増やしていきましょう。

初めは1日20分のウォーキングから始め、1週間ごとに5分ずつ増やしていくことで、1か月後には40分のウォーキングを無理なく続けられます。

40分のウォーキングが習慣付いたら目標の6000歩が達成できます。

ウォーキングする時間に気を付ける

ウォーキングする時間帯にも配慮しましょう。

理想は食後1時間程度経ってから。

食後すぐにウォーキングを始めると、消化器系に負担がかかり、消化不良や胃の不快感を引き起こす可能性があります。

食後1時間ほど待つことで、食物が消化され始め、胃腸が落ち着きます。

また食後1時間ほど経ってからのウォーキングは、食事による血糖値の急上昇を抑えるのに効果的です。

一方、早朝のウォーキングには注意が必要です。

人間の体は起床時に血圧が自然に上昇する傾向があります。

これは「起床時高血圧」とも呼ばれ、特に高血圧の人にとってはリスクが高まる時間帯です。

この時間帯に運動を行うと、さらに血圧が上昇し、心臓や血管に過度の負担がかかる可能性があります。

また、寒い季節は早朝は気温が低く、寒冷刺激によって血管が収縮し、血圧が上昇することがあります。

血圧が高い朝の時間帯に、寒い外で運動する。

心臓や血管に強い負荷をかけることになりますので、高血圧や心臓病をお持ちの方は早朝ウォーキングには注意しましょう。

まとめ

60代以降のシニアが健康を維持するためには、1日6,000歩のウォーキングが推奨されています。

無理なく始められる方法を取り入れ、日常生活に運動を取り入れることで、楽しいフィットネスライフを創造できます。

運動習慣をつけることは、健康を維持し、豊かな生活を送るうえで重要な課題です。

ぜひ、本記事を参考にウォーキングを始めてみてください。

よくある質問

Q: 1日6,000歩も歩けない場合はどうすればいいですか?

  • A: 少しでも歩くことが大切です。まずは、自分のペースで無理のない範囲から始め、徐々に歩数を増やしていくことを目指しましょう。

Q: ウォーキング以外におすすめの運動はありますか?

  • A: ウォーキングと同じ有酸素運動であれば、サイクリングや水中エクササイズもおすすめです。

Q: ウォーキング中の水分補給はどうすればいいですか?

  • A: 歩行中はこまめに水分補給を行いましょう。特に暑い日は、水分補給を忘れずに行うことが大切です。

Q: ウォーキングに適した時間帯はいつですか?

  • A: 夏場であれば朝の朝食後や夕方の涼しい時間帯が理想的です。日中の暑い時間帯は避け、無理のない時間帯を選びましょう。冬場は朝の運動は推奨されません。日中の暖かい時間帯を選びましょう。

Q: ウォーキングのペースはどのくらいが良いですか?

  • A: 無理のないペースで始め、徐々にペースを上げるのが理想です。会話ができる程度のペースで歩くことを目安にしましょう。

Q: ウォーキングを続けるためのモチベーション維持の方法は?

  • A: 友人や家族と一緒に歩く、歩数計やアプリで記録をつける、目標を設定するなどが有効です。

Q: 膝や腰に痛みがある場合でもウォーキングを続けられますか?

  • A: 痛みがある場合は無理をせず、医師や理学療法士などの医療従事者に相談しましょう。適切なアドバイスを受けることが重要です。

Q: ウォーキングコースはどう選べば良いですか?

  • A: 平坦で安全なコースを選びましょう。公園や歩道の整備された場所が理想的です。

Q: ウォーキングの効果を感じるまでにはどれくらいの期間が必要ですか?

  • A: 個人差はありますが、一般的には数週間から数か月で効果を感じることができます。継続することが大切です。

Q: ウォーキング中に何か特別な装備は必要ですか?

  • A: クッション性の高いシューズと自分に合った服装が必要です。また、天候に応じて帽子や防寒具を用意しましょう。

この記事を参考にして、シニア世代の皆さんが健康的な生活を送るための第一歩を踏み出せることを願っています。

ウォーキングなどの新しい運動習慣を始める前に、医療提供者に相談して、自分の健康状態や体力レベルに適しているかどうかを確認することが重要です。

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